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ドクターコートを着るのは医学生だけじゃない

大学には様々な学部があります。学部によって学ぶことは大きく違うことは言うまでもありませんが、なぜか身に着ける衣服も学部によって違う、ということがあります。大学には高校までのように制服があるわけではありませんが、同じ学問を志す者同士、服装が似通ってしまうことがあるそうです。

たとえば、チェック柄のシャツは手軽におしゃれ感を出せるため男女ともに人気ですが、「チェックは理系男子の制服」と揶揄されることもあるように、なぜか理系男子、特に理工学部の男子学生の多くがチェック柄のシャツに黒縁眼鏡というファッションをしがちです。それには彼らなりの様々な理由があるようですが、これだ、という確たる理由は見つかっていません。

「制服」といえば、理系の中でも実験を行う生物学や化学系の学部に通っている学生は、実験室内ではドクターコート(白衣)を着用しています。最初のうちは目立ってしまうことを恐れて研究室を出るときには白衣を脱いでいた学生も、2年、3年…と年齢を重ねるごとに、他の学生の目を気にせず、白衣を着用したまま他の講義に出ていることもあります。これもある意味一種の「制服」と言えるでしょう。

ドクターコートと聞けば、他にも医学部の学生が着用しているというイメージをお持ちの方もいるでしょう。「ドクター」という言葉がついているように、ドクターの卵である医学部学生も着用しています。とはいえ、多くの場合は臨床実習に臨むにあたって、医師を目指す者としての自覚を促す式典「白衣授与式」を経てから着用するようになるため、一概に「医学部=ドクターコート」というわけではないようです。医学の他には薬学部の学生など、やはり医療系の学部ではドクターコートの着用者が増える傾向にあります。

ではなぜ、理系や医療系の学生はドクターコートを着用するのでしょうか。理由として一番多いのは「衣服の汚損防止」です。特に薬品を扱う実験や解剖などを行うと、薬品跳ねや血液、体液によって衣服が汚れることがあります。衣服にシミができる程度ならさしたる問題はありませんが、薬品によっては皮膚に浸透し、深刻なダメージを与えることがあります。そのような事故を防ぐために、着脱のしやすいドクターコートを着用しているのです。

実験や解剖をしない学部の学生でも、「衣服の汚損防止」という観点からドクターコートを愛用していることがあります。染色や油絵を専門に学んでいる人は、染料や絵の具が衣服に付着することを防止するために、安価で丈夫なドクターコートを着用していることがあります。汚れの付着を防止するだけではなく、防寒具としても利用できるそうで、作業効率の向上に寄与しているそうです。

ドクターコートは、専門業者から通販で購入することができます。学校に置くのであれば、取り違えを防止するために名前の刺繍を入れても良いでしょう。一部の業者では名入れ刺繍も請け負っているため、高品質な刺繍入りのドクターコートを簡単に手に入れることができます。

ところで皆さんは、ドクターコートの見分けがつきますか?どれも同じように見えてしまいますが、実は誰もが知っているようなアパレルブランドもドクターコートを販売していることがあります。ドクターコートフェチの友人曰く、それぞれのドクターコートには大きな違いがあり、とても一言で言い表せるようなものではないのだとか。肌ざわりや縫製の質など、彼は熱く語ってくれましたが、さして興味のない私には半分もわかりませんでした。どうやらドクターコートは、意外と奥深い世界のようです。

また、ドクターコートフェチの友人曰く、近年は医療現場でもドクターコートではなく、スクラブを着用することが増えているそうです。スクラブというのはもともと、外科手術の際に汚れてもよい作業着として使われていたものであるそうです。海外ドラマなどの医療シーンで医師が着用している青や緑の服がそのスクラブです。動きやすさや洗ったあとすぐ乾くことなど、機能性を重視した結果、スクラブが広まっているそうです。友人はたいそう残念がっていましたが医療現場で重要なことは、清潔さなどであると思うため、スクラブが広まるのも納得です。ちなみにスクラブはこちらの業者が質が高いと人気のようです。名入れ刺繍やプリントなども行っており、実際に医療現場で働く方々のユニフォームを作っているようです。